はじめに

研究内容

研究成果

メンバー

プロトコール
   蛍光変換蛋白質のバルク変換
   BY-2 細胞の形質転換

植物細胞(写真館)

タバコBY-2細胞

実験室写真館

役に立つリンク





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 植物後期分泌系のSCAMPを指標にした解析





  SCAMPとは

 Secretory Carrier Membrane Protein (SCAMPs) とは、高等生物において後期分泌系の膜小胞を特徴付ける4回膜貫通タンパク質の一種で、動物、植物には見出されていますが、モデル真核生物として詳細な研究が進んでいるパン酵母には見出されていないタンパク質です。下図のとおり、N-末端の細胞質側ドメインには、NPFモチーフと呼ばれる、EHドメインにより認識される配列を持っています。EHドメインは、エンドサイトーシスに関与する,蛋白質間の相互作用に関わることが知られるドメインです。





  SVC(分泌小胞塊)

 我々は、タバコ培養細胞BYー2株のEST解析から見出された、機能が解析されていなかった膜蛋白質に対して抗体を作製し、その抗体染色により特徴的なパターンを示すタンパク質の解析を進めて来ています。その中で、NtSCAMP2と名付けたタンパク質について、詳細な解析を進めました(下図)。その結果、SCAMP2はトランスゴルジネットワークとそれ由来の小胞が塊状に集まった構造(分泌小胞塊:SVC)、及び細胞質膜に分布していることを見出しました。また、SVC中には分泌蛋白質と共にペクチンが存在することが認められました。更に、SVCは、分裂中の細胞においては細胞板に動き融合することも見出しました。






ゴルジ装置(赤)と分泌小胞塊(緑)のタバコ培養細胞での挙動については、ここからご覧下さい。





 SVCは細胞の増殖や伸長が盛んな細胞に認められましたが、細胞増殖が停止したり、シロイヌナズナの根端細胞のように小さな細胞には余り認められませんでした。このことから、SVCの機能は、いわゆる人間社会におけるコンテナ輸送のようなもので、少数の輸送用装置(モータータンパク質?)で多数の積み荷をまとめたコンテナ(輸送小胞)を運ぶことで輸送の効率化を図っていると、私たちは想像しています(下図)。